そしてその夜、とても怖い夢を見た。
陽生が、いつまでたっても帰ってこないっていう夢。
1日、2日……1週間。
会いたいのに、会えない。
電話をしても、繋がらない。
「陽生……陽生……」
何度もそう叫ぶのに、陽生の姿はどこにも見当たらなくて、一人泣きながら暗闇の中をさ迷い続ける私。
どうして?
何で?
お願いだから帰って来て!
そう願うのに、陽生は私の前には現われてはくれない。
それでも必死で暗闇の中をさ迷い続けていると
「果歩」
後方から名前を呼ばれ、振り向くと、そこには笑顔で私を見つめる陽生がいた。
「陽生!」
慌てて手を伸ばし、近づこうとした瞬間、突然大きな黒い塊に遮られてしまう。



