「あ、うん……」
「まぁ、あれだ。あれは単なる酔っぱらいのたわ言だと思って軽く流してくれればいいから」
「………」
さすがに今回ばかりは陽生も照れ臭かったのか、私から視線をそらしたままそんなことを言う。
「正直俺はそんなこと考えてないから」
「えっ」
「さすがにそういうことでどうにかしようなんて思ってない。果歩の人生に大きく関わることだ。そんな無責任なことはしないから」
「陽……」
「だから安心して果歩は今自分ができることを精一杯頑張れよ」
頭を照れ臭そうにかき、私の髪をひと撫でした陽生がフッと笑う。
「とりあえず今は頑張って無事に大学を卒業しなくちゃな」
「……うん……」
「応援してるから」
そう言ってクルッと背を向け、キッチンを出ようとした陽生。
私はというと、何故か急に心細くなって、追いかけるように陽生の袖を掴み無意識に引き留めていた。



