「陽生……」
顔を見た瞬間、ピキンと体が硬直てしまった。
い、いつの間に来たんだろう……
しかもいきなりの至近距離!?
見下ろされ、目があった私はドクンと大きく心臓が跳ねる。
そう言えば、今日まともに目を合わせるのはこれが初めてかもしれない。
「……ん?何だった?」
気まずさを感じながらも笑顔を向ける。
仕事帰りだからかな?
目の前の体から消毒の匂いが微かに香ってくる。
「ああこれ、濡れたタオル。今こぼれたジュース拭いたから」
そう言って目の前に湿ったタオルを差し出され、私はああ、と頷きそれを受け取った。
「拭いてくれたんだ。ありがとう」
「いや……」
そして再びくるっと背を向けた。
やばい、やっぱりまともに顔が見れないや。



