「ほら、そんな顔しないでよ。私なら本当に大丈夫だからっ」
前に立つ後藤に弁解するように手をバタバタさせた。
「でも……それ、椎名先生は知ってるの?」
「えっ」
「ちゃんと言ってる?」
その問いかけに一瞬動きが止まる。
じっと向けられる視線がなぜかものすっごく怖かった。
「いや、別に特には……」
言ってない。
「ていうか、あえて言わなくても大丈夫かなぁ~なんて……」
「三月さんっ!」
ものすごい剣幕で怒られた。
ビクッと全身を強張らせると、後藤の仁王立ちになる姿が飛び込んでくる。
「だって……」
「じゃない!三月さんは体調管理がなってなさすぎ!だいたいこの前も風邪引いたとか言ってたじゃない!?もうそんなんじゃ全然ダメッ!まるっきりダメ!医者の彼女失格!」



