甘い体温②・後編・


「ど……して?」



掴まれた手に驚く私。


マンションの中に入ったんじゃなかったの?


私の体を支え、一緒にしゃがみ込んだ後藤に思わず顔を上げる。



「大丈夫?」


「何で……」



思わず後藤の腕を掴みそう聞くと、とても焦った様子の後藤と目があった。



「ごめん、やっぱり心配だったから……」


「えっ」


「実はね、あそこからこっそり様子覗ってたの」



そう言って後藤が目で視線を送った先は、ちょうどマンションの入り口の影だった。



「そっか……」


「ごめんね、でもどうしても気になっちゃって、だってあの人があのミサさんとかいう人でしょ?」


「うん……」


「やっぱり」