そんなミサさんの行動に呆気にとられる私。


思わずその場で固まっちゃいそうな勢いだったけれど、何か言わなきゃ。


とっさにそう思い、恐る恐る口を開いた。



「えっと、それはわざわざありがとうございます」


「いいえ、一応ご迷惑をおかけしましたので」



またニッコリと笑ったミサさんに、軽く頭を下げる。


なんてへんてこりんな会話なんだろう。


これが同じ男を思うライバル同士の会話……なの?



そう思いつつも、目の前のふんわりとしたミサさんの雰囲気にどっぷりもってかれる私。



「あの……、ところで先生は元気なんでしょうか?」


「えっ?」


「あ、いえ、あれから先生とはまったく連絡がとれないっていうか、どうも避けられてるみたいなので……」



その言葉に一瞬言葉に詰まる。


あれからというのはきっとパーティー以降のことだよね?


確かに、私が陽生に当たり散らしてからというもの、陽生ってば携帯をリビングに置きっぱなしで平気で仕事に行っちゃうんだよね。



「何かあったら仕事専用の携帯に連絡しろよ」て、それだけ告げて…