「俺の方こそごめんな。言葉不足で……もっと早くちゃんと説明してやるべきだった」
そのあとは、わだかまりがが溶けたように笑顔を向けてくれた果歩。
さっきとは違い、安心したように俺の胸に体を預け、俺の話を聞いていた。
そんな果歩に俺もまたホッとして……
結局この日、俺は果歩を抱かなかった。
というより横になって話すうち、いつの間にか二人して眠ってしまったらしい。
手を繋ぎ、お互い身を寄せあいながら安心したようにぐっすりと眠る。
とても穏やかな夜だった。
そして静かであたたかなぬくもり。
こんな夜がずっと続いてほしい……
いや、つづくもんだと思ってた。
俺はこの時本当にそう思っていた。
むしろ想像すらしていなかったんだ。
この先に起こる果歩の異変と、最悪な状況の始まりを……