「きゃっ……」



次の瞬間ドサッとベッドが弾み、果歩の驚いた声が耳に届く。


俺は果歩の両手をベッドに押さえ付け、上から覆いかぶさるようにして目の前の瞳を見下ろした。



「こら」


「あ……」



ようやく俺と目を合わせた果歩が気まずそうに肩をすくませた。



「ふっ、まだまだ詰めが甘いよ。俺に勝とうなんて当分早い」


「……っ」



見ると、果歩の目元からは新しい涙が滲み出ていた。


俺はたまらず目を細め、それをゆっくり指で拭う。すると、果歩が焦ったように顔を背け



「やっ、あんまり見ないで」



慌てて目を瞑る。



「……なんで?」


「だって、今すごく嫌な顔してる」



その言葉にフッと顔が緩む。



「どこが?すげー可愛いけど?」