「いいから果歩、とりあえず顔あげろ。大丈夫だ、別に心配するようなことは何もないから」



内心焦りながらもなだめるように頭を撫でた。


つーか、完全に誤解してる。


そう言えば、神崎ミサのことはまだちゃんと話してなかったっけ。


そう思いながら、乱れたままほぼむき出しの背中に手をやれば、ひんやりとして少し冷たかった。


俺は慌てて手元にあった毛布を上からかけ、そっと優しく撫でる。



「果歩いいからこっち向けって、これじゃあ続きも何もないだろ?このままじゃキス一つ出来ないだろう?」



そう言いながら、安心させるように背中をポンポンと叩く。




けど……反応はなし。


たく……、しょうがねーな。


意地でも動かないってか。


そんな姿にフッと苦笑いを浮かべると、俺は最終手段と言わんばかりにそのまま自分の体を勢いよく前に倒した。