「少しは心動かされそうになったり……した?」


「は?」


「あんな素敵な人に言い寄られて、ちょっとはその気になったりした?」



最後の方は小さくて上手く聞き取れなかった。


だけどその言葉、この態度……


気のせいか、目の前の体が若干震えてるような気がして俺は思わずハッとする。




「果歩……」



そこでようやく俺は我に返る。



「ミサさんといつから会ってたの?」


「えっ」


「2人で、何度かご飯食べたりした?連絡だって頻繁に取り合って……」


「おいっ」



思わず声を上げていた。


そして目の前の肩をぎゅっと掴む。