「果……」
「だってまだ途中」
「え?」
「ちゃんと診てくれるって言ったじゃん。俺がしっかりって、途中で放置なんて医者失格……」
一瞬、何を言われてるのか分からなかった。
この状況に、しがみ付く果歩に。
それなのに薄暗い部屋の中、目の前の果歩はよりいっそう俺を強く抱きしめてくる。
「好き……」
「えっ」
「早く続き、して?」
そう言いながら、俺の胸にグイグイ顔を押し当ててくる果歩に本気で焦りを覚えた俺。
「ちょ……」
「ミサさん、すごく可愛い人だね」
「えっ?」
「綺麗だし、大人だし、おまけに性格も私みたいにすれてなさそうですごく素敵な人……」



