正確には奪われたって言った方がいいと思う。


急に視界から消えた携帯、思わずハッとし、驚いて隣を見ると





……ピッ。



「切っちゃった」



そう言って、思いっきり主電源をオフにした果歩が俺を見た。


そして何食わぬ顔で、そのまま甘えるように抱きついてくる。



「ごめん」


「えっ」


「怒った?」



顔を上げず、俺の胸にしがみついたままの果歩がたどたどしくそう言った。


いつの間にか携帯は枕元に置かれていて。


そしてか細い声で、だけどとても力強く背中に腕を回してくる果歩に俺は思わず目を見開く。