おいおい、もう俺には関わらないんじゃなかったけ?
連絡もしない、会いにも来ない。
そう約束したよな?
だから行きたくもないパーティーまで参加して……
ちっ、いったい何考えてんだ。
これじゃあ、約束が違うじゃないか。
話も違う、思わず顔を歪めると心なしか果歩の体もビクッと硬直したような気がした。
そりゃ、そうだよな。
果歩にしてみたら、今一番見たくない相手に違いないし、関わりたくない存在に決まってる。
そして俺も…
鳴っては消え、鳴っては消える着信音に次第に苛立ちを覚える。
無意識に隣の果歩の頭を安心させるように撫でていた。
それに無言で応える果歩。
何度も繰り返し鳴り続ける携帯に嫌気がし、思いきって電源ごと切ってやろうかと思ったとき
「貸して」
突然俺の手から携帯が消えた。



