甘い体温②・後編・


しかもそれは俺の携帯だった。


上着のポケットから鳴り響くな着信音に耳を傾けながら、すぐに眉を寄せる。



ちっ、何なんだよ……


よりにもよって、こんな時に。


まさにバットタイミングとでも言うべきか。


そんな俺を見て、果歩がハッとしたように目を開けた。


そして慌てて起き上り、携帯に目を向ける。



「はる……」


「ああ、ごめん」



そう言って再びベッドに座り直した俺に続いて、果歩も横に座り直す。


俺はそんな果歩の体を片手で抱き寄せながら、ポケットから携帯を取り出して待ち受けを見る。


そして驚いた。


とっさに眉を寄せる。





神埼ミサ……


そんな文字に俺は一気に顔を強張せる。