そんな果歩が可愛くて、やっぱり俺は目の前の頭をクシャクシャと撫でた。
「ばか……」
「ごめん」
顔を上げた果歩がムスッと眉を歪め、俺を見る。
愛しいを通り越して、もう何て言ったらいいのか分からなかった。
いつからこんな綺麗な顔をするようになったんだろうな。
なんていうか、出会った頃とはまた違う。
今までとは見違えるような、一段と大人びた綺麗な表情に目がくらむ。
凛とした瞳を見返しながら、気持ちがドッと高まっていくのが分かる。
「安心しろ、俺は何処にも行かない。お前以外の奴とは結婚なんかしない」
「えっ」
「当たり前だろ、好きでもない女と結婚する奴がどこにいるんだよ」
そんな趣味なんかねーよ。
そう言って俺はそのまま果歩を抱き上げる。
ビックリする果歩を抱えたまま、その足で真っ直ぐ寝室へと向かった。



