なんなんだろう、この妙なドキドキ感は。
さっきからヒシヒシ伝わる重圧感。
ただならぬ緊張感に、思わず体に力が入ってしまう。
……陽生?
静香さんと居る時とはずいぶんと態度が違うんだね。
あと雰囲気も…
なんかよそよそしいって言うのかな。
同じ兄妹でもこんなに違うものなの?
それとも私の気にしすぎ?
男同士って意外とこんなもん、なのかな。
私にはそういう兄妹がいなかったから、いまいち分からない世界だけれど…
ふと、そんなことを思いながら陽生の横顔を見つめていたら、突然、向いからお兄さんに呼ばれ、ハッと私は顔を前に向けた。
「よかったら君も一緒にどうぞ」
「…えっ……」
「2週間後のパーティー、よかったら君も一緒に来たらいい」
お兄さんはそう言って、またカップに口を付けた。



