甘い体温②・後編・


「悪いけど、絶対別れたりなんかしないからっ!」



声がかすれる。


言いながら、うっ…っと声が出なくなっていくのが分かる。



知らなかった。


自分んがこんなに熱い思いを秘めていたなんて、こんなに聞きわけがない人間だったなんて思わなかった。



だって、好きなんだもん。


目の前の陽生が、目の前の温かい存在が。


好きで好きで、どうしようもないほど愛おしいんだもん!




「絶対このまま離れたりなんかしな……」




そう言おうとした瞬間、体がビクッと震えた。


ズルズルとその場にしゃがみこみそうになった私を、ぎゅっと温かいぬくもりが包み込んだから…