それでも……
「どうせ聞くなら陽生の口からちゃんと聞きたかったよ!」
こんなかたちじゃなくて、お兄さんの口からじゃなくて。
「ちゃんと陽生の口から直接聞きたかった!」
もっと前に、今朝あの時に無理矢理でも聞いとけばよかったんだ。
「私って何?そんなに頼りない存在!?こんなかたちで聞かされた私の方の身にもなってよ!!」
言葉が止まらない。
もう怒りが収まらなかった。
「ちょ、待て果歩っ!」
「やっ、待てない!」
取り乱す私、陽生が焦ったように言葉を向けようとしたけれど、それを拒否するように持っていたバッグを投げつけた。



