「酷いよっ…何でそんな大事なこともっと早く教えてくれなかったのよ!」



そしたらこんな…


こんな思いしなくてすんだのに!


こんなふうに陽生を責める言葉なんて思い浮かばなかった!



「ばかっ」



勢いよく顔を上げた。


そこには当たり前だけど驚いた様子の陽生があって、まるで豆鉄砲を食らったような顔をしている。


だけどそんなのお構いなしに強い怒りを目の前に向けた。




「何よ!いつも私には何でも話せよって偉そうに言ってるくせに、自分は何?平気で隠し事!?ふざけないでよっ!」


「果……」


「何が俺を信じろよ、俺から離れるなよ!自分ばっかり格好つけないでよ!」