「ねぇ、陽生!」
ピタッと動きを止めた陽生の腕をぎゅっと掴む。
それに……
さっきホテルを出る瞬間、ほんの一瞬見えたお父さんの顔がとても怖くて、尋常じゃないほどの不安が込み上げてきた。
「ねぇってば!私なら一人で大丈夫だから、このままタクシー乗って帰………」
シートベルトを外し、ドアの取っ手を掴もうとした瞬間、ガチャンと、ロックのかかる音がした。
ビックリして振り向こうとしたら、突然横から手が延びてきて、グイっと体を引き寄せられた。
「ひゃっ………んっ」
そのまま唇を塞がれる。
驚いて目を見開くと、目の前には陽生の顔があって、体はあっという間に腕の中だった。
「や、ちょ、ちょっとまっ……」
強引に口付けられて焦る私。
ギュッと抱き締められる感覚に一気に頭が真っ白になった。



