「待て、陽生」
「だから何だよ……」
呼びとめられて、再び足を止めた陽生がお父さんを睨む。
「いい加減目を覚ましたらどうなんだ。そんな身近な色恋にうつつを抜かしてる暇があったら、もっと現実をよく見たらどうだ」
「だからそれが余計なお世話だっつってんだろ!あんたの都合のいい価値観で物事を勝手に決めてんじゃねーよ」
あ……
その言葉に体全体がビクッと硬直していくのが分かった。
もちろん、陽生じゃなくて私の……
だって、それって「身近な」はイコール私のことだよね?
そして「現実」っていうのはミサさんのことだ。
さっきの真咲さんの言葉もそうだったけど、この2人の会話を目の当たりにして、改めて自分の置かれてる立場を再確認する。



