甘い体温②・後編・


そのままフロントまでたどり着くと、陽生がスタッフから車のキーを受け取った。



ほ、本気でこのまま帰るつもりなの?


周りから感じる好奇な視線に耐えながら、ずっと私は担がれたままで……






「陽生」




ホテルを出る寸前、突然背後から声をかけられた。


その声に陽生がようやく足を止める。


それに反応するように顔を上げた私は…




「あ……」



思わず声を上げていた。


だって、そこに居たのは





「親父……」




陽生のお父さんだったから。


向けられる鋭い視線。


カツカツと歩みよってくる足音がやけにもの静かで、とんでもなく嫌な予感がした。