甘い体温②・後編・


「や、やだっ……」



私を担いだままズンズン歩き進める陽生に焦る私。


ど、どうしちゃったの?


懲りずに何度かバタバタと抵抗してみたけれど、やっぱりダメ。


その衝撃で片方のミュールが脱げて、コツンと床に落ちる音がしたけれど、それでも陽生は止まってはくれない。



「はるっ……」


「いいからしっかり掴まってろ」



ビクッとするような低い声。


私の言葉なんか無視して歩みを進める姿に、本気で泣きそうになった。


こんな公衆の面前で、皆だってギョッとしたように見てるのに、陽生は何とも思わないの?




やだ……


こんなのやだ。


すれ違う人達の視線がこれでもかってぐらい痛くって、私はたまらず陽生の肩に顔を埋めた。