視界が一気に高くなる。
陽生の力強い腕がギュッと骨盤辺りに回り、私は声にならない声を上げた。
えっ……
「ちょっ……」
「せ、先生!?」
ミサさんがかなり驚いた様子で私達を見る。
そして静香さんも……
私もそんな状況に慌ててバタバタともがいてみたけれど、全くびくともしなかった。
それどころか余計力を入れられて、耳元に低い声を向けられた。
「帰るぞ」
たった一言そう言って、驚く静香さんの方を向いた陽生。
「静香、悪いけど後は頼むな」
そう告げて、素早くドアを開け、あっという間に部屋を出てしまった。



