それが黒髪で上下スーツ姿だから余計そう思っちゃうのかな?
陽生よりも年上ってこともあるし、とにかくなんか落ち着いた真面目そうなタイプ見える。
「つーか、あんまじろじろ見てんじゃねーよ」
そんな中、陽生がお兄さんに向けて軽くため息を吐いた。
あ、いつの間にかお兄さんと長い間見つめ合ってしまったことに気づき、慌てて視線を逸らす。
「いや、ずいぶん若くて可愛いお嬢さんだなって思ってね」
そんな陽生にサラっと真顔で返したお兄さん。
「あ?何だよそれ」
「別に深い意味はないよ。ただ見たまんまを口にしただけだから……でも、失礼だけど、今歳はいくつかな?」
「えっ…」
歳?



