甘い体温②・後編・


「……見て分からない?正直今緊急事態なんだ。悪いけどミサちゃんの相手してる余裕ないから、用件があるなら手短に言って」



やっぱり冷たくあしらったような声だった。

陽生の胸に抱かれながら、それはもうそわそわと落ち着いてはいられない。


チラッと隣の静香さんを見れば、陽生と同じく全く気にした様子もない素振りだった。


むしろ、そんな光景を楽しんでるようにも見えて……



「ねぇ、何で私達がここに居るって分かったの?」



ふと、ずっと無言だった静香さんが怪訝な顔してそう言った。



「あ、あの、さっきお姉さんがここに入って行くのが見えて……」


「それでこっそり後付けてきちゃったんだ」


「……はい。ひょっとしたら陽生さん、お姉さんと一緒なのかなって、そう思って」


「へ~……なんだか随分と必死なのね」



その、嫌味を含んだ言い方にまた驚いた。



だって、いつもの静香さんとはかけ離れて恐ろしく、とても冷やかなトーンだったから。