「何か……あった?」
その言葉にも
「ひょっとして、誰かに何か言われた?」
その問いかけにも私は「いえ…」と、一言首を横に振るしかできなくて、きっと静香さんのことだ。
こんな私の様子を目の当たりにして、何か感じとったのかもしれない。
横から感じる陽生の視線にも、何か言いたそうなそぶりにも気付かないふりをした。
受け取ったミネラルウォーターをただちびちびと口に含むのがやっとの私。
「それより、サンキューな静香、助かったよ」
「別にいいわよ。果歩ちゃんが無事に見つかって何よりだわ」
その会話にペットボトルを動かす手が止まる。
「えっ……」
「陽生がね、果歩の姿が見えなくなったってそれはもう慌てた様子で電話してきたから。途中で会場抜け出して、それはもう大変だったのよ」
「……陽生が?」



