甘い体温②・後編・


その言葉を合図に抱きかかえられるように場所を移動した私。



連れて行かれた場所は……


何処かの控え室か何かかな?


ドアを開けた瞬間、目の前に飛び込んできたのは、部屋半分に畳が敷かれた和風の落ち着きのある所だった。



「とりあえずここで横になってろ」



陽生がネクタイを緩めながら私をそこへ寝かしつける。


私の頭を何の躊躇なく自分の膝の上に乗せて、着ていたスーツの上着を体に被せると、心配そうに頭を撫でてくる。



「辛いか?吐きそうになったらいつでも言え」


「……ん」



いつもと変わらない優しい声。


いつも以上に温かい手。




それなのに…


その間もやっぱり目を合わせられず、私は曖昧な返事をすることしかできなかった。