「それで、話しって何だよ。つーか急に来るなら来るでせめて事前に連絡ぐらいしろよ」
少し面倒くさそうな陽生の声。
コーヒーには手を付けず、椅子に持たれながらお兄さんをとても不愉快そうな感じで見ている。
その姿があまりにツンツンしているように見えて
……あれ?なんか陽生ってば機嫌が悪い?
……ひょっとして、仲が悪いとか?
なんとなくピリピリとした雰囲気に、お盆を持ったまま立ちつくしていると、陽生がすぐにそんな私に気づいて声をかけてくれた。
「果歩、そんな所に立ってないでこっちにこいよ。別に遠慮なんてしなくていいから」
おいでおいでと私を招き、隣の椅子に座らせた陽生。
その表情は普通で、いつもの優しい笑みに戻っていて
「てか自分の分のコーヒーは?」
「え、ああ、忘れちゃった」
「ふっ、だったらこれ飲めよ。俺、今はいいから」
「えっ、でも……」
「いいから、ほら」
陽生はそう言って、コーヒーを私の前に置いてくれた。



