甘い体温②・後編・


そんなにいいものなのかな?


確かに、お金はないよりあった方がいいにきまってるけど、でも……そこまで興奮するほど重要なものなの?


普段そんなふうに男を見定めたことなんてないから、私には今一理解できない世界だけど。



「あー……マジで狙ってみようかなぁ?ってかさ。うちのパパが椎名のおじ様と仕事で少し接点があるみたいなんだよね。だからちょっと頼んでみたりして~」



どこかの令嬢か何かかな?

これまでの会話ですぐにピンとくる。



「は?何それ?抜け駆けはずるくない?つーか、凛子じゃ無理だって。相手にされないのがオチオチ」


「そうそう、それにもうすでに婚約者がいるって噂じゃん。ほら、今日ずっと隣にいた神崎グループのえっと……あれ?名前なんだっけ?」


「ああ、ミサでしょ?神埼ミサ。神埼グループの一人娘。確か最近まで海外の方でファッションモデルやってたって有名じゃない」




ドクン…


その名前が出た瞬間、また鼓動が大きく鳴ったの分かった。


神埼ミサ…


はっきり言って、この名前こそ今は聞きたくなんてなかったんだけど……