甘い体温②・後編・


……ドキン


その名前が出た瞬間、大きく意識が反応してしまった。


陽生……


その名前は今はタブーっていうか、できれは聞きたくなかったんだけど……



「さっき会場でチラッとすれ違ったんだけどさぁ。もう、それがマジでいい男なの!思わず見とれちゃうって言うか、分かる?一瞬で落とされたって感じ」


「分かる分かる。あんな色っぽい男いないよねぇ。しかも医者でしょ?おまけに二男とくればこんなおいしい話しはないよね?地位も名誉も金も、あんな三拍子そろった男はなかなかいるもんじゃないって!」



地位も名誉も金も、か……


その響きにコツンと壁に頭を寄せる。



今日、ここに来てから何度そんな会話を耳にしたんだろう。


会場にいる間、お決まりのように聞こえてきた話し声。


それはもう周りのあちらこちらから、同じ内容の会話が飛び交ってたっけ?