……ドキン
その名前が出た瞬間、大きく意識が反応してしまった。
陽生……
その名前は今はタブーっていうか、できれは聞きたくなかったんだけど……
「さっき会場でチラッとすれ違ったんだけどさぁ。もう、それがマジでいい男なの!思わず見とれちゃうって言うか、分かる?一瞬で落とされたって感じ」
「分かる分かる。あんな色っぽい男いないよねぇ。しかも医者でしょ?おまけに二男とくればこんなおいしい話しはないよね?地位も名誉も金も、あんな三拍子そろった男はなかなかいるもんじゃないって!」
地位も名誉も金も、か……
その響きにコツンと壁に頭を寄せる。
今日、ここに来てから何度そんな会話を耳にしたんだろう。
会場にいる間、お決まりのように聞こえてきた話し声。
それはもう周りのあちらこちらから、同じ内容の会話が飛び交ってたっけ?



