貧血……かな?
気付くと以上に手足が冷たいような?
それでいて喉も異様にカラカラで、左右の平行感覚も無くなってきたような気がする。
これは……マズイ。
さすがに尋常じゃないかも。
瞬時にそう思った私は咄嗟に目についた隅っこのトイレへと身を寄せた。
そしてほぼ倒れ込むように手前のドアを開けて、そこへすぐにうずくまった。
上品なフローラルの香り。
トイレとは思えないほどの大理石並みの綺麗な床によろけながら両手をつく。
額からうっすら冷や汗みたいなものが浮かび上がる中、はぁ…と2、3回深呼吸をしたところで突然、バッグの中の携帯が震えだした。
「っ……」
見ると、それは陽生からの着信だった。
ドクンと鼓動が大きく跳ねて、一気に緊張が走る。



