―――…



体が宙に浮いたようにフワフワとする。


ここは一体どこなのか。


自分が立ってるのか座ってるのか、それさえももう分からなくなっていて。

気付いたら、私は会場を抜け出してホテル内の何処かのロビーを歩いていた。


真咲さんはもう居ない。


周りには誰も居ない。


シーンと静まり返った空間にポツンと一人、まるで取り残されたようだった。


はっきり言ってあの後のことは曖昧にしか覚えてない。


途中真咲さんが誰かに呼ばれて、私の様子を覗いながら去って行ったのは何となく覚えてる。


その後、陽生のお父さんらしき人が皆の前で挨拶らしきスピーチをしてたことも……

でも、とてもじゃないけどそんなスピーチ聞いてられなかった。


お父さんの姿がまともに見ていられなくて、ううん私なんかが見ちゃいけないような気がした。


むしろここに居ること自体が場違いなようなきがして、私は逃げるようにあの場を後にした。