「陽生と別れろってことですよね?」
「別れた方がいい」じゃなくて、むしろ「別れてくれ」って言われてる様なものだ。
ううん、これは完璧にそういう意味で言われてる。
「悪いね、本当はこんなこと今日言うつもりはなかったんだけど、こういうのは早く伝えておいた方がいいからね。……それに、やっぱり君のためでもあるから」
私の……ため?
また一つドクンと鼓動が大きく疼く。
「その様子だと陽生の奴、君に何にも話してないみたいだね」
「えっ、それってどういう……」
何故だろう。
急にビリビリと胸騒ぎが体中に走り始めた。
怖いを通りこして大きな不安。
聞いちゃ、ダメ。
そう思うのに、この先の真咲さんの言葉を聞いたら取り返しのつかないことにる。
そう本能がそう叫ぶのに、体が硬直して言うことを聞いてくれなかった。