目の前の光景がやけに酷くかすんで見える。
ああ、こんな感覚久しぶりだ。
何も反応ができなくて、体から一気に血の気が引いていく感じ――
気のせいかな?
足もとがふらふらとして、何だか少し気分が悪くなっていくのが分かる。
「おっと、大丈夫?」
真咲さんの手が私のお腹に回る。
いつの間にか重心が崩れ、前のめりによろけそうになっていたようだった。
「あ、すみま……」
「そんなにショックだった?」
真咲さんが私を支えながら、顔を覗きこんでくる。
その顔からは完全に笑顔は消えて、じっと私の表情を覗ってる様子。
「……今日、私をここに呼んだのって、そのことを言うためだったんですか?」
恐る恐る視線を向ける。
「わざわざ、忠告を……」
ミサさんと陽生の2ショットを私に見せつけるために?



