「果歩ちゃんって見た目より、案外打たれ弱いんだね」
苦笑いを浮かべる真咲さん。
「そんなんじゃ余計彼女には劣ると思うし、この先やっていけないと思うよ」
真咲さんが少しやれやれといった様子で手を引っ込める。
「あの……」
「今も言ったと思うけどさ、もし本気で陽生と一緒になりたいならこんなことで落ちてたらこの先思い知らされるよ。もっと堂々と、むしろ彼女のように少し図々しいぐらいの態度でいないと、あっという間に潰されちゃうよ」
「つ、潰さっ……」
「大げさだと思う?……でも、それが現実。少し古臭いって思うかもしれないけど、実際俺達が住む世界はそういう所だから。君が思ってるよりそんなに甘い世界なんかじゃないんだよ」
その言葉にさらに目を丸くする。
―――甘い世界じゃ…ない?



