向いて……ない?
「それってどういう……」
真咲さんを見つめながら、ドクンドクンと鼓動が騒ぐ。
「ん~そうだね、何て言うのかな……」
真咲さんが私を見てやっぱりクスリと笑うから、思いっきり不安な顔を浮かべてしまった。
「簡単に言えばさ、君はまだ若すぎるってとこかな。それに無知すぎる」
「……む、ち?」
「そう、ちなみに聞くけど君、英語は話せる?礼儀作法は?それからうちの、椎名家のことはどれだけ知ってるの?」
「えっ」
「例えばこう言う時、彼女のようにあんな風に堂々と隣で笑って振舞える?」
真咲さんの言葉にハッとミサさんの方へ目を向ける。
そこにはさっきと同様、陽生の隣で堂々と笑いながら受け答えする姿があって、私はそこでようやくはっとしたように瞳を大きくした。



