「君より彼女の方が陽生の結婚相手としてふさわしいってこと」
その言葉を聞いたとき、何故だか回りの状況がスローモーションみたいにゆっくりと見えた。
目の前で楽しそうに口を緩める真咲さん。
ガヤガヤと、華やかにこのパーティーを楽しむ人達も、私達を取り囲むこのきらびやかな空気さえ、一瞬にして重苦しく揺らいでいくような気がして息を飲む。
「ちょうどいい機会だから、この際忠告も兼ねてはっきりと言っておこうかな」
真咲さんがやたら生き生きとした様子で笑うから、私はただ怖くなって思わず一歩下がる。
「悪いけどさ、今の君だと陽生の相手としては役不足だと思うよ」
「えっ……」
「正直君みたいなタイプの子には荷が重いと思う。合わないっていうのかな?きっと向いてないと思うけど」



