すごく複雑な気分だ。
それでいて無性にもどかしいような……
そんな思いに駆られながらも、ドギマギした気持ちで真咲さんを見つめると、ものすごく静かな視線を返される。
……本当に?とでも言いたげな眼差しを前に、正直どう答えていいか分からない。
でも…
「ほ、本当です!信じてください!」
今はそう言うしかないよね。
だって、それが本当のことだし、もちろん今まで一度だって陽生をそんなよこしまな目で見たことなんかない!
ていうか、陽生が御曹司の息子だってことも普段コロッと忘れてるぐらいだ。
それなのに……
無言の沈黙がとてつもなくなく痛いのは……何故?



