「あ、えっと……」
突然の人物に上手く言葉が出てこなかった。
というより、なんて自然な現れ方なんだろう。
「今日ちゃんと来てくれたんだね。ありがとう」
「い、いえ、当たり前です!こちらこそお招きくださってありがとうごいざいます!」
思わず慌てて頭を下げる。
うわ~どうしよう。
急な展開に声がテンパっとしまう。
心の準備がまったく出来ていなかった。
「はは、別にそんなにかしこまらなくてもいいよ。それより楽しんでる?」
「あ、はい……」
その言葉にドキドキと顔を上げる。
黒く澄んだ瞳に見つめられて、やっぱり手にぎゅっと力が入ってしまう。



