甘い体温②・後編・


「あ、えっと……」



突然の人物に上手く言葉が出てこなかった。


というより、なんて自然な現れ方なんだろう。



「今日ちゃんと来てくれたんだね。ありがとう」


「い、いえ、当たり前です!こちらこそお招きくださってありがとうごいざいます!」



思わず慌てて頭を下げる。


うわ~どうしよう。


急な展開に声がテンパっとしまう。

心の準備がまったく出来ていなかった。



「はは、別にそんなにかしこまらなくてもいいよ。それより楽しんでる?」


「あ、はい……」



その言葉にドキドキと顔を上げる。


黒く澄んだ瞳に見つめられて、やっぱり手にぎゅっと力が入ってしまう。