「…なんか疲れた……」
何故だかそんな気分になってうな垂れた私。
改めて陽生を確認出来たからなのか、はたまたどっと疲れたせいなのか、なんだか無性に弱々しい気持ちになってしまった。
まだ始まったばかりなのにこんなので大丈夫?
「ふっ、俺も……」
だけど、そんな私と同意件と言わんばかりに陽生も軽く苦笑いをくれる。
「初っぱなからこんなんじゃ身がもたねぇなぁ。つーか、うちの優秀なボディーガードはどうした?」
「ああ、静香さんならさっきホテルの関係者の人達に呼ばれて挨拶に行っちゃった」
「なるほど……」
陽生がまたまた苦笑いを見せる。
そして二人にしてはぁ…と一息ついたのもつかの間。
あれ、そう言えば……
ふと、さっきナンパ男がボソッと呟いたことを思いだした私は思わず顔を上げた。
「ね、そう言えば陽生さっき……」
「先生!」



