甘い体温②・後編・


「ふぅ、やれやれ……」


「ちょ、陽生苦し……」



息が出来なくなって思わず胸を叩くと、ハッとしたように陽生が私から腕を緩めてくれた。



「ああ、わりぃ…」


「もう!ちょっとは加減に気をつけようよ」



そう言って、息を整えながら陽生を見る。


極度の安心からか、フワッと体から力が抜けていって、そのままよろけそうになった瞬間、陽生が慌てて腰を抱き寄せてくれた。



「大丈夫か?」


「あ、うん。ありが……」


「つーか平気?悟さんに何も変なことされてない?」


「……うん」



たまらずギュッと陽生の胸にしがみ付くと、ポンポンと背中を優しく撫でてくれた。