「ふぅ、やれやれ……」
「ちょ、陽生苦し……」
息が出来なくなって思わず胸を叩くと、ハッとしたように陽生が私から腕を緩めてくれた。
「ああ、わりぃ…」
「もう!ちょっとは加減に気をつけようよ」
そう言って、息を整えながら陽生を見る。
極度の安心からか、フワッと体から力が抜けていって、そのままよろけそうになった瞬間、陽生が慌てて腰を抱き寄せてくれた。
「大丈夫か?」
「あ、うん。ありが……」
「つーか平気?悟さんに何も変なことされてない?」
「……うん」
たまらずギュッと陽生の胸にしがみ付くと、ポンポンと背中を優しく撫でてくれた。



