本気でうざいこの男!
てか、行くって何処に連れて行くつもりよ!
さすがに焦り、咄嗟に手をグーにして振り上げようとした瞬間
「悟さん、そいつ俺の」
突然手を掴まれて、後ろから勢いよく引っ張られた。
「悪いけど貸出禁止、持ってくならそれなりの覚悟をしてもらいますよ」
聞き慣れた低い声。
グイっと抱き寄せられて、慌てて顔を上げた先にはずっと会いたかった横顔が見えて
あっ……
そこには陽生がいた。
もう何度も抱かれたことのある力強い腕。
そして安心する優しい香り。
ギュッと抱き締められて、私はドクンと目を見開いた。



