ふっ、ふっ、ふっ。
と、何故か今日一番の意味深な笑みを浮かべた静香さん。
何かを企むようなその顔が、それはそれは怖く感じるのは私だけなんだろうか?
「ひょっとしたら、これ、陽生の計算だったりしてね」
「へっ?」
「いーや、だとしたら面白いじゃない。この際2人のラブラブな所を見せつけてギャフンと言わせてやろうかしら」
静香さんが持っていたシャンパンをグビッと一気に飲みほした。
「静香……さん?」
「だいたいやり方が気に入らないのよね。親の力を借りて手に入れようなんて卑怯もいいとこなのよ!やるんなら正々堂々とやりなさいって感じ!」
ダンっと静香さんがグラスをテーブルに強く置く。
驚く周りの視線を無視し、突然私の手をぎゅっと握りしめて……
「でも大丈夫。この私が守ってあげるからね。あんな非常識な人達の思う通りにはぜーったいさせないんだから!」