目の前に広がった光景、それは見事なものだった。


まるでテレビで見るようなセレブでオシャレな世界。


会場の片隅には、バイオリンやらチェロなんかを持った人達が生演奏なんかしちゃってるし。

おまけに回りにいる人達もとても凄いオーラの人ばかり。


中には雑誌とか、TVで見たことがある人なんかもいて、私はもう圧倒されっぱなしだった。



「はい、果歩ちゃん」


「ありがとうございます」



そんな私にいたって冷静にシャンパンを手渡してくれた静香さん。


でもやっぱり私から言わせれば、この中で静香さんが一番綺麗で目を引く存在だと思う。


だって、さっきからすれ違う人はみんな静香さんの方に振り返って見とれてるんだもん。



「ふふ、見てみなさい。果歩ちゃんがあんまり綺麗だからみんな見とれてるわよ。ほら言ったでしょ」



いや、それは違うと思います……


すぐに突っ込みたかったけれど、

でも、きっとこれも私に自信を待たせてくれようとしてる静香さんの優しさだと気づいたから、私はギリギリのところでその言葉を喉の奥に呑み込んだ。