甘い体温②・後編・


それから陽生と入れ違いですぐに静香さんはやって来た。


静香さんは部屋に入り、ドレスに着替えた私を見るなり



「可愛い~」



なんて昨日みたいに抱きついてきたけれど、私から言わせれば静香さんの方がよっぽど綺麗で比べ物にならないぐらい素敵だと思った。


黒のワンショルダーのタイトなドレス。


肩と、ウエストに付いているビーズとスパンコールのデザインがとても鮮やかで、すごく大人っぽい。


まるでどこかの海外セレブみたいだ。



「きゃっ、果歩ちゃん!せっかくだからここで一緒に写真取りましょう」


「えっ……でも私まだ髪型が……」


「いいからいいから、ほら」




……それにしてもこのテンション。


まだ昨日のお酒でも残ってるのかな?


隣で浮き浮きと楽しそうな静香さんの様子を恐る恐る覗ってみたけれど……



「ん?どうかした?」


「いえ、別に……」



とりあえずはそんな様子はなさそうだったから、少しだけホッとした。