「はる……」
「安心しろ、今日の夜はずっと一緒に居るから。もう嫌だって言っても離さないし」
キスをやめ、少しだけ目を細めた陽生が私を見る。
「パーティーなんかさっさと終わらせて、早く二人で帰ろうな」
「……本、当?」
「ああ、昨日は本当に悪かった。だからこの後少しだけ我慢してくれな」
陽生がフッと笑って、今付けたばかりのキスマークを指でなぞる。
「昨日の埋め合わせはたっぷりとしてやるから……それまで変な男に引っかかるなよ」
最後にもう一度名残惜しむように私を抱きしめて寝室を出ていった陽生。
その後ろ姿がやっぱりどこか意味深に思えたけど、でも不思議とさっきまでの寂しさは消えていて……
きっと大丈夫だよね?
少し不安は残りつつ、私も気を取り直す様にクローゼットに手をかけて、この前買ったドレスを取りだした。



