「好きなんだ」
「ーーー」
「どうしようもなくお前が好きなんだよ」
ぎゅっと抱きしめられて、一瞬時が止まったような気がした。
「離したくない」
そのままもっと強く抱きしめられて、瞬きすらできなかった。
胸が、苦しい。
まともに呼吸さえさせてもらえないこの状況に、私は目を見開いたままただただ薄暗い天井を見つめるだけ。
「……はる、き?」
それでもそっと手を伸ばして陽生の背中に触れてみると、ビックリするぐらいその背中が震えていて……
それ以上触れることもできなかった。
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