「「……変? 」」


「なんだ、お前がかよ……」

「ち、違うよ!陽生がだよ!」



何で私なのよ!


顔を上げ、慌てて反論すると直輝の鋭い瞳とバチっとかち合った。



「……だってね。なんか最近やたらと帰りが遅いんだよ、ね」



そうなんだ。


先週のクリスマスデートが終わってからというもの、陽生ってばやたらと帰ってくるのが遅いんだ。


会合や、同じ医師仲間の人達との付き合いがある時は別として、前は遅くても日付が変わる前にはちゃんと帰ってきてたはずなのに。


最近じゃほぼ毎日12時を過ぎるのなんてざらだし、酷い時は夜中の1時や2時とか、余裕で過ぎてる時もあるんだもん。



「だから……」


「それが何だよ」


「えっ?」


「別にそんなの普通だろ、社会人なんだから」



そう言って、真顔で椅子に背中を投げだした直輝に私は少しだけ目を見開いた。