「なんだ、珍しいな喧嘩か?」



その声に慌てて振り返ると、なんとそこには……



「えっ、直輝?」



幼馴なじみの直輝がいた。


少し金髪に近い明るい髪に、冬なのに小麦色に焼けた肌。


おまけに土木で着るような作業着みたいなのを着ていて…


仕事着、かな?


直輝は片手をポケットに突っ込みながら、相変わらず少しダルそうに私達に目を向ける。



「え、うそ、坂下先輩?」


「ど、とうしたの!?」



思わず二人して声を向けた瞬間、軽く眉をひそめた直輝が何ら躊躇なく私の隣に座ってきた。



「よぉ、久しぶりだな」


「よぉって、何でここにいるのよ!?」



驚いた私は直輝の横顔を凝視する。


ここ、とは、大学からさほど遠くないとても近場のファミリーレストラン。


直輝はそんな私から視線を逸らした後、すぐにポケットから煙草を取り出す。


それをそのままなに食わぬ顔で咥えようとしたから



「ちょっ、ここ禁煙だから!」


「え?ああ……」